2016年6月12日日曜日

美しい珊瑚礁の漂海民を描くインドネシア映画公開



世界遺産に登録された美しい珊瑚礁を持つインドネシアの海域、ワカトビを舞台にした映画「鏡は嘘をつかない」が、6月4日から岩波ホールで公開する。漁に出たまま戻らぬ父の帰りを待ち続ける娘と母の物語だ。

本作の登場人物である漂海民のバジョ族は、海で生まれて海で死ぬと言われ、高床式の小屋で豊かな海の恵みを受けながら生活している。また、インドネシアのスラウェシ島の東南部にあるワカトビは、ダイビングの聖地としても知られており、息をのむ美しい海の映像も本作の魅力のひとつだ。



自然に関するドキュメンタリーを多く製作してきた、カミラ・アンディニ監督の長編デビュー作。ダイビングを通じてワカトビの海とバジョ族の文化や風習に魅了されたというアンディニ監督は、ワカトビ県や世界自然保護基金(WWF)の協賛を得て本作を製作。インドネシアを代表する映画監督で、アンディニ監督の父であるガリン・ヌグロホが、プロデューサーを務めた。本作は、東京国際映画祭でトヨタ・アース・グランプリ、アジア映画賞スペシャルメンションの2つの賞を受賞している。

“海のジプシー”といわれる漂海民のバジョ族が暮しているワカトビ。10歳の少女パキスは、漁に出たきり戻ってこない父の無事を信じて、自分の鏡に父の姿が現れることを、ひたすら願っていた。バジョ族にとって鏡は真実を映す神聖なものだった。母はそんな娘を心配するが、自身も夫の死を受け入れられなかった。ある日、イルカの生態を研究する青年が村にやってきて、母娘の日々が少しずつ変わっていく。

「鏡は嘘をつかない」は、6月4日から岩波ホールほか全国順次公開。




情報元:映画.com

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