国民の4割が貧困層とされるインドネシアでは、お金の代わりに回収したプラスチックごみを持ち込めば無料で食事をとることができる食堂が開業し、注目を集めています。
この食堂は、ジャワ島中部の都市スマラン郊外のごみの集積場のそばに、ことし1月にオープンしたものです。
インドネシアでは経済成長が続き、豊かさを享受する人が増える一方で、成長の恩恵を受けらない貧しい人たちの多くは、ごみの集積場でリサイクルできるごみを分別し生計を立てています。しかし、プラスチックの廃品が外国から安い価格で輸入されるようになり、個人で集める少量のごみは採算が合わないと、回収業者に買い取ってもらえなくなりました。
そこで、40年以上ごみを集めて売る仕事をしていたサリミンさん(55)はことし1月、ごみを回収する仲間たちが無料で食事をとることができる食堂を開業しました。食堂ではおよそ20キロ、日本円にしておよそ60円分のプラスチックごみと引き換えに食事を提供し、サリミンさんは客から集めたごみを業者に売って食堂の経営資金に充てています。
貧しい暮らしを続けながらごみの回収をしている人々の支援につながる、サリミンさんの食堂は共感を呼び、調理場の燃料は、ごみの集積場で出るメタンガスを市役所から無償で供給してもらえるようになりました。
また地元の食品会社も、ごみとして回収した食品の包装紙などを使って、かばんに装飾を施して売り出すリサイクル商品のアイデアをサリミンさんに提案するなど、取り組みは広がりを見せています。
サリミンさんは「仲間たちが幸せになれるように、プラスチックを使った取り組みを大きくしていきたいです」と話しています。
情報元: NHK News
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