インドネシア・ジャワ島の内陸部。熱帯雨林が生い茂る人里離れた小高い山の上にそれはある。「Gereja Ayam」現地の言葉で(鶏の教会)を意味し、“Chicken Church”の異名をもつ。
けれど、この不思議なモニュメントは必ずしもキリスト教徒のためのものではない。
◼︎そこは、神を信じる者が集う場所
ジャカルタに暮らすDaniel Alamsjah(67歳)は、ある日神からの啓示を受けた。人々が集まるための礼拝堂を造るように。その建物のかたちはハトを模したものに、と。
夢の中の出来事かそれとも幻想か、啓示が離れずにいたDaniel。それからしばらくして、彼は妻の故郷マグランを訪れる。ジャカルタから500キロ以上離れた熱帯雨林が生い茂る山村で、彼はあの日告げられた場所にそっくりな景色に遭遇した。
小高い丘の上に建つ礼拝堂、あの啓示は自分をここへ連れて来るためのものだった。そう確信したDanielは、この地に留まり、村の男たち数人を雇いハトの礼拝堂建設に乗り出す。1989年のことだ。
自分は司祭でも原理主義者でもない、多くのフィリピン人たちと同じ敬虔なクリスチャンだ、「Jakarta Globe」の取材にこう答えたDaniel。貯金をはたいて建築に乗り出したものの資金は底を尽き、今も未完成のままだという。2000年以降手つかずのままの建造物は、熱帯モンスーンの風雨にさらされ、年月を経て、緩やかに朽ち果ててきた。それでも、今でもこの大地で羽を休め、人々が訪れるのを静かに待っている。
かろうじて、くちばしだけ朱色を留める“平和の象徴”。2000年以降手つかずのままの建造物は、熱帯モンスーンの風雨にさらされ、年月を経て、緩やかに朽ち果ててきた。
それでも今でもこの大地で羽を休め、人々が訪れるのを静かに待っている。
情報元:ガジェット通信
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