2016年6月24日金曜日

インドネシア金融機関:世界初の自社衛星打ち上げ




インドネシア国営で少額融資が主力のバンク・ラクヤット・インドネシア(BRI)の通信衛星「BRIサット」が21日までにフランス領・南米ギアナから打ち上げられた。金融機関が自社衛星を保有するのは世界で初めてとみられる。国内各地に散らばるATMなどの設備を効率よく管理する狙い。従来に比べてコストを4割削減できるとしている。


 投資額は約2億5000万ドル(約260億円)。衛星は米スペースシステムズ・ロラールが製造し、仏アリアンスペースが18日打ち上げた。45台のトランスポンダー(電波中継器)を装備した。8月から本格的な運用を始める見通しで、欧米で訓練を受けたBRIの行員50人強が管理する。






 BRIはインドネシア国内に1万以上の拠点を持つ。ただ、島しょ国の同国では固定通信網を介して各拠点にあるATMなどの設備を管理するのが難しい。BRIはこれまでも通信会社が保有する衛星を使っていたが、事業拡大につれ衛星の利用額が年間5000億ルピア(約39億円)まで膨らんでいた。

 インドネシアでは通信インフラの整備遅れなどを背景に、15歳以上の銀行口座の保有比率が4割弱にとどまる。BRIは投資コストを抑えながら地方での事業展開を加速し、未開拓の市場を取り込む。

 インドネシア政府は経済成長率が鈍化する中、市中銀行に貸出金利の引き下げを呼びかけている。BRIは業務効率を高めて金利引き下げによる採算の悪化を補う狙いもある。

情報元:日本経済新聞

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